相撲界の内情や制度、騒動の行方を、元関脇・貴闘力が現場目線で読み解く。経験者だから語れる、大相撲のリアルが詰まったコラム。
9月13日から始まっている大相撲秋場所は、大関・霧島の「綱取り」、大関に復帰した安青錦に注目が集まっている。
そんな中、前頭筆頭に琴勝峰、琴栄峰の兄弟関取が顔をそろえた。
琴勝峰と言えば、昨年名古屋場所、IGアリーナの「こけら落とし」の場所で、平幕優勝を遂げた。191センチ、171キロの均整の取れた体格で、優勝を機に三役に定着か? と思われたのだが、以来、パッとしない成績が続いていた。
ところが、4歳下の弟が番付を上げてきて、刺激を受けているようだ。
琴勝峰とオレの三男、王鵬は埼玉栄高相撲部の同級生。そういう意味でオレも高校時代から注目していたんだけど、お父さんがまたユニークで教育熱心。
アニメ『ドラゴンボール』のキャラクター、「亀仙人」そっくりの風貌で、千葉県内で居酒屋を経営。さらに、ボディビルダーでもある。
相撲経験がないにも関わらず、兄弟が小さい頃から、四股や股割りなどの相撲の基礎を自宅で教え込んできた。何よりすごいと思えるのが、基礎を毎日繰り返してきたことだ。
それが今に生きているし、兄弟が同時に三役にでもなったら、お父さんは相当嬉しいだろうね。
さらに、今場所は高砂部屋の朝紅龍、朝翠龍兄弟も、同時幕内力士となった。
でも、これって、なかなか実現できないものなのよ。
オレの息子は次男、三男、四男が力士なんだけど、幕内力士は王鵬のみ。一時は十両にいた四男の夢道鵬は、幕下に番付を下げているし、次男は十両経験がない。いつか三人そろって、関取として活躍してもらいたいところなのだが……。