日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。今回、戸田氏が注目したのは、近年増加する、詐欺メールへの対処法です。
見覚えのない差出人や不審な件名のメールが届いた際、リンクを開かずに削除したり迷惑メールフォルダに移したりして対処している人は多いのではないでしょうか。防犯意識の高まりとともに「自分は騙されない」と警戒を強める人が増える中、警視庁サイバー犯罪対策課の公式Xアカウントが注意を呼びかけているのが、「二段階式フィッシングメール」という手口です。
この詐欺メールの巧妙な点は、受信者の高い警戒心そのものを利用する点にあります。まず1通目として届くのは、「本社会計係」などを名乗るあからさまに不審なメール。受信者は、「これは怪しい」「無視しよう」と判断して事なきを得たかに見えます。しかし、本当の罠はその後に潜んでいるのです。
時間をおかずに届く2通目のメールは、「本社システム担当」といった社内の管理部署を装い、「社内で不審なメールが送信され、受信状況を調査するため、こちらから回答してください」と注意を呼びかける文書。1通目を見破って警戒していた人ほど、「さっきの不審メールのことだ」「会社が対応してくれた」と安心し、2通目に記載されたリンクを信用して開いてしまう…。その結果、案内された偽サイトでIDやパスワード、個人情報を自ら入力させられる被害が相次いでいます。
これまで不審メールを見分ける基準としては、「件名の不自然さ」「送信元のアドレス」「本文の不自然な日本語」などが挙げられていました。しかし近年は生成AI技術の進化により、日本語の不自然さによる見分けが難しくなってきています。送信元の表示アドレス自体も容易に偽装できるため、見た目の表記だけで本物かどうか判別するのは容易ではありません。