■秀吉・秀長コンビが崩壊したら?
秀吉(池松)の目的のためには手段を選ばない陰湿さがそろそろ増してくると思ったが、今回を見ると、その方向には行かなそうだ。民衆から石を投げられたことをずっと気に病んでいたり、ストレスがたまって弱っている姿を見ると、この先も秀吉はいろいろ迷い、秀長(仲野)がサポートする関係で最後までいくのかもしれない。
秀長がいてこその秀吉というのは、本作のテーマには合っているが、では、秀長がいなくなったらどうなるかというと、これは秀吉が迷走を続けるばかりの、見どころのない展開になってしまうだろう。
今作で秀長の死後を描くかというと、それはなさそうだが、実際、秀長は「小田原征伐」のときには病が悪化して動けなくなるので、秀吉のサポートで奔走することはなくなるはず。秀長のサポートがない秀吉が迷いっぱなしになることは確実で、持ち味の兄弟が織りなす痛快なエンタメ性は減り、持ち味が失われてしまうかもしれない。
もちろん、大河ドラマが中途半端な形で最後を迎えるとは考えにくい。史実では、今回描かれた「小牧・長久手の戦い」から秀長が秀吉に先立って死去するまで7年ある。そこに至るまでに、予想を超える展開を用意しているはず。物語の行方とともに兄弟の関係性に注目したい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。