■『VIVANT』後半は失速の可能性
考察の声の一方で、《作戦と訓練パートが長すぎたなぁ笑。でも、流れを理解させるためか》《シャキ城のモックアップとかスタジオ内で撮ってるよなって場面ばかりなの、安く上げるため?》《同時通訳便利だけど、チョッキーが急に吹き替えになったのすごくショック》などの不満の声も出ている。
シャキ城のハリボテ訓練や同時通訳機の吹き替えは、どうにもチープに見えた。海外ロケにお金がかかって、あちこち手抜きで作らざるをえなかったのだろうか。ストーリーも結局、説明と訓練で終わり、トピック的には新庄(竜星)が生きていたこと、野崎の絶食はリュウの指示だったぐらいで、肩透かしをくらったような前半のラストだった。
気になったことといえば、乃木(堺)が薫(二階堂)とジャミーン(本間)と抱き合うシーンが挿入されていたこと。乃木が出国する前に2人との絆を確認するためだろうが、ちょっと、唐突な感じがした。本作は尋問のときに“家族”を持ち出して脅したり、長野専務が乃木にが「愛する人はいるのか」と聞いたり、本筋と関係ないところで“家族”を強調している。
薫が拉致されることを予感させる次回予告から、この先、ジャミーンが大きく物語に関わってくることは予想されるが、後半は乃木と薫、ジャミーンの関係をメインに据えた、“家族”の物語に着地させるつもりなのかもしれない。
ヒューマン系に寄せた『VIVANT』も、たしかに面白そうではあるが、それは視聴者が求めているものかは微妙だ。後半、派手なドンパチはさらに減り、ジャミーン、薫をめぐって、家族の絆が描かれるヒューマン展開になるとしたら、視聴率の数字を大きく落とす可能性はある。
平均世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は前回から2.1ポイント下げて15.0%。裏に男子バレーボールの中継(フジテレビ系)があったが、日本はイランに3セットストレート勝ちしたため放送は9時15分で終わっていて、それほど影響があったとは思えない。これが、期待していた内容と違うがための視聴者離れだとしたら、2週休んでの後半は、これまでの数字を維持できるか、怪しいかもしれない。
(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。