■看護を描けなかった看護の物語
X上でも、《養成所を立ち上げるならその立ち上げるプロセスや苦労話をもう少しじっくり観たかったわね。男の人の話はもういいよ》《ここに至るまでのりんと直美の看護婦としてのストーリーをもっと深く見たかったんだけどな…主軸がしっかりしてない感じでずっときたからあまり心が動かなかったな》などの批判の声が。
シマケン(佐野)の看護は、例によって検温、脈、換気しかしないりん(見上)と直美(上坂)。さらに、派出看護を始めたころ、大見得を切って女中みたいなことはしないと言っていたのに、家族に食事の指導をするどころか、率先して自分から作ってあげる始末。看護の物語のはずなのに、あまりに看護を軽視していないだろうか。
ここまでに、もっと看護を描いていれば、物語の印象は違ったはず。《座学が今回みたいにちゃんとあれば専門職であると感じれるのにね》という声もあるが、今週の、しのぶ(木越明/27)が教え、ツヤ(東野)が学んで、セツ(村上)が看護婦になることを言い出す流れのような、人とストーリーがしっかり動くシーンをもっと描くべきだった。
また、朝ドラ定番の“最終盤に懐かしキャラが再登場”の一環でシマケンが出てきたが、今さら感がすごくて、X上でも、《この期に及んでもシマケンはシマケンだった》などと、これまた不評。そもそもシマケンが、ムダに恋愛展開を引っ張り、肝心の看護というメインテーマをスポイルした象徴のような存在だったため、不満の声が出るのは当然だ。
ここまで(第24週終了時点)の全話平均視聴率は世帯で13.8%。今週のシマケンや藤田医師(坂口涼太郎/36)のように、最終週は、さらに懐かしキャラが登場しそうだが、こんなに物語の軸がブレているようだと、視聴率の伸びは期待できないだろう。『おむすび』の13.1%に次ぐ、朝ドラワースト2位はほぼ確定だろう。
(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。