■2人の生きざま、もっとたくさんの人に見てもらいたい!

 山里亮太(46)と若林正恭(44)の生きざまを、渾身の芝居で表現する高橋と森本。作品の中では、芸人になることへの熱量は増していくばかりだというのに、数字が振るわない。第4話の世帯視聴率は3.6%、個人は2.1%と、ワーストを記録している(ビデオリサーチ調べ/関東地区/リアルタイム)。

 世帯視聴率は難しいとしても、個人視聴率が確保できていないのが残念だ。山里と若林のファン、高橋と森本のファンのみしか視聴していないのだとしたら、本当にもったいないと思うし、この魅力ある作品を4人のファン以外のたくさんの人に見てもらいたい。

 少々理屈っぽい人物をそのまま文字にしたような内容なのが、少々、難しく感じることがある。また若林と山里、それぞれの人生の歩みを見せるために、カットバックが多用されている。時系列がいくつか重なっていて、さらに現在と過去を行ったり来たりするため、同じシーンを何度も見ているような気持ちになってしまう。

 たとえば第2話で、若林が倒れて救急車で病院に搬送される現在から、大学生だった若林と山里の過去エピソードが別々に差し込まれる。意識がもうろうとしている若林が、うつらうつらと過去を思い出すといった描写なのかもしれないが、再現ドラマのように感じてしまった。

 また、ナレーションの多さも特徴だろう。感情を抑えた機械的なナレーションで状況説明が続くから、シーンの余韻や、人物に対して感情移入をする余裕を持たせてくれない。この文字数の多さが、若林と山里らしさであることは分かるのだが、個性の強い魅力ある人物としての見せ方が内向きすぎるように感じられるのだ。

 一部の人だけではなく、多くの人に刺さるドラマとして開放されることで、もっと多くの方に支持されてほしい。それだけの情熱とパワーがこの作品には備わっているはずだ。(文・青石 爽)