相撲界の内情や制度、騒動の行方を、元関脇・貴闘力が現場目線で読み解く。経験者だから語れる、大相撲のリアルが詰まったコラム。

 10月26日、大相撲九州場所の番付が発表された。

 東の横綱には、先場所6回目の優勝を決めた大の里がどっしり座る。

 先場所は全休、3場所連続の休場となった豊昇龍は、西の横綱だ。

 大関には、安青錦、琴櫻、霧島が名を連ねているけれど、3人ともケガを抱えているだけに、10月の秋巡業では稽古量も少なくて、全体的に、覇気がなかった。

 秋巡業の途中からは、豊昇龍も参加した。横綱同士で、土俵上での稽古も何番か取ったけれど、右ヒザの手術をした影響がまだ続いているのだろう。ヒザの大きなサポーターが痛々しい。

 大の里も、豊昇龍のケガを悪化させないように気を使いながら、こわごわ相撲を取っている感じだったし、豊昇龍の脚がだいぶ細くなっているのも気になった。

 元気だったのは、熱海富士、藤ノ川の若手関脇コンビ。

「つねに精一杯」の相撲を見せる藤ノ川が土俵に上がると、大きな歓声が沸いて、四股名を呼ぶ声があちこちから聞こえる。

 特筆すべきは、藤ノ川を応援するファンは、老若男女幅広いという点だ。小さな体でけっして手を抜かない相撲は、性別を超えて感動を呼ぶんだな。

 チビッコファンにも、丁寧にサインをしてあげたり、記念写真の求めにもイヤな顔を見せない。このあたりは、某横綱、某大関にも見習ってほしいと思う。

 さて、秋巡業は12人もの休場者が出た。巡業に出れば、体の治療などにも行けないし、バス移動もキツイ。