7月から放送中のTBS日曜劇場『VIVANT』第2シーズンの描写に中国で批判が広がるなか、サンリオはコラボレーション中止を発表。背景にあった「問題」とは何か――。

 商社勤務の主人公・乃木憂助(堺雅人)が、自衛隊直轄組織「別班」の諜報員として、国際的な犯罪に向かい合う様を描く本作。10月4日放送回では、中国の別班と呼ばれる組織「シンシー」の工作員が日本人の諜報員の指を切り落とした上で体を刺す拷問シーンなどがあり、10月下旬に中国のSNSでこの話題が取り上げられ、批判が続出した。

「中国版X「微博」の検索ランキングで『VIVANT』関連がトップになったほか、中国国営テレビは10月25日、“旧日本軍が中国の抗日運動家に行なった残虐行為と、この拷問シーンが重なる”と報道していました」(スポーツ紙記者)

 この件についてTBSの龍宝正峰社長は10月28日の定例記者会見で、国家間の対立を煽ったり特定の国を敵視し貶めたりする意図はないと発表したが、騒動は収まらない。

 同日、サンリオの中国法人はコラボ中止を発表した。さらに10月29日には、日本の本社が以下の声明を発表した。

《本コラボレーションに関連するコンテンツにつきまして、サンリオの企業理念にそぐわない表現が含まれていると判断し、すべての取り組みおよび今後の展開、プロモーション活動を中止することを決定いたしました。現在、必要な対応を速やかに進めております》

 なお10月29日、中国の「環球時報」の記事によれば、同メディアの取材にサンリオ側が《第1シーズンの登場人物を対象とした商品企画だった》《ドラマ制作には参加しておらず、事前にストーリー内容を知らなかった》(ともに編集部で和訳)と回答したという。つまり、コラボ商品の企画対象は第1シーズンの登場人物であり、第2シーズンの制作や内容には関与していなかったという立場だ。

 そこで、本サイトはあらためてサンリオに問い合わせを行なった。

「今回については、あくまでも当社は2023年の10話放送終了時点までの登場人物とサンリオキャラクターとのコラボレーション商品の企画・監修を実施したという立場であり、作品内容の協業ではございません。ドラマ制作には関与しておらず、ストーリーの内容も事前に把握しておりませんでした。個別の確認プロセスの詳細については回答を差し控えます」(広報担当者、以下同)

──もし、第2シーズンの内容や拷問シーンがあると知っていたらコラボしなかったか。

「当社の『みんななかよく』という企業理念や、キャラクターを通じて大切にしてきた『思いやり』『つながり』といった価値観に照らし、そぐわない表現が含まれていると判断しております」

 中国での批判をきっかけに、大手キャラクター企業とのコラボまで中止となった『VIVANT』。海外でも注目を集める作品にとって、思わぬ波紋となったようだ。