■ファンサービスに徹していた『VIVANT』第2シーズン

 最終回直前の回なのに、出雲の実家でベキ(役所)の姪・玲(伊勢佳世/45)という新キャラまで出てきて、どう考えてもスッキリ終われるとは思えない。公式未発表ながら、以前から映画化するのではないかという声が出ていたが、「続きは映画で」が現実なのだとしたら、この詰め込みぶりも納得できる。

 それとは別に気になるのが、各キャラの推し方だ。乃木とノコル(二宮和也/43)の兄弟愛推しがそうだったが、今回、それにチンギスも加わって、「飲みに行こう」などとファンアート(二次創作)のような男の友情シーンまで加えてきている。ストーリーがなかなか進まないのにキャラをいじっている場合かと思うが、これもファンサービスの一環と考えれば、納得できる。『VIVANT』には、それだけ熱心なファンがついているのだ。

 本作はストーリーよりもファンサービスが優先で作られていると考えれば、何度も乃木にしてやられ、大して有能に思えないシンシーのハン(宮下)を、何話も引っ張って登場させているのもわかる。要は、憎まれ役、やられ役をハンが担うことによって、乃木の活躍を見せるためのものなのだから。

 熱心なファンが確実にいるのがわかっているのだから、当然、映画化に踏み切るだろう。公式グッズが第11弾(11月4日現在)まで出ているなど物販にも熱心だし、収入的にも失敗はしないはずだ。第1シーズンに比べて「ドラマ的な面白さに欠ける」とは、さんざん言われてきたが、第2シーズンは映画の前フリと考えれば、いろいろと腑に落ちる。そうなると注目の最終回も、うやむやな終わり方になるかもしれない。

(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。