■DAISO公式通販でも売り切れ「購買に直接つながっていると実感しております」
思わぬ再評価を浴びたこのノートは、どんな経緯で生まれ、現在はどれほど売れているのか。そして、紙での管理は本当に安全なのか——。
本サイトがDAISOを運営する株式会社大創産業の広報に問い合わせたところ、担当者は今回の話題を知っていたそうで、「SNS上で大変大きな反響をいただき、誠にありがたく受け止めております」と回答。売れ行きにも影響が出たようで、
「今回の投稿をきっかけに、“ネットから切り離された紙(アナログ)で管理する安心感や利便性”が改めて注目されたことで、売れ行きを急速に伸ばしており、SNSでの拡散が認知向上と店舗での購買に直接つながっていると実感しております」(担当者、以下同)
実際、公式通販サイト・ダイソーネットストアでも、同製品は5日の時点で在庫無しの売り切れ表記となっていた。
DAISOがこのノートを取り扱いを始めたのは2020年9月ごろ。すでに販売から6年ほどが経ったという。商品化の背景だが、デジタルでのアカウント管理が主流となる中、スマートフォンやパソコンの操作に不慣れな人でも「IDやパスワードを分かりやすく手元で安全に管理できるように」との思いから生まれたのだという。
発売当初はデジタル管理に不慣れな人向けの便利文具として展開していたというが、最近は手に取る層にも変化が出てきているという。
「昨今の情報漏洩や不正アクセスに対する関心の高まりを受け、需要が大きく伸びています。購入者層につきましても、当初想定していたシニア層だけでなく、20〜30代の若年層やビジネスパーソン、またスマートフォン故障時のリスクヘッジや『デジタル終活』(編集部註:死後に備え、ネット上の情報やアカウントを整理し、家族に引き継ぐこと)を意識される方など、幅広い層にご利用いただいております」
と、若年層にも広がりを見せていることを明かした。デジタルでのID・パスワードの管理は利便性に優れているが、ダイソーは“紙ならではの利点”を商品化した。
「“インターネットから物理的に切り離されている(オフライン)”という紙ならではのセキュリティ上の安心感をメリットとして捉えて開発いたしました。サイバー攻撃や不正アクセスのリスクを避けられる点や、端末の故障・通信障害時でも確実に情報を確認できる点、さらにはご家族への情報共有や引き継ぎがスムーズに行える点が紙管理ならではの強みと考えております」
とはいえ当然、紙ならではの弱点はある。
「紙で管理する利点がある一方で、物理的な紛失や盗難、第三者による閲覧のリスクには十分ご注意いただく必要がございます。ご自宅内の鍵がかかる場所や他人の目に触れない安全な場所に保管いただくことや、外出先への持ち出しを控えていただくこと、またパスワードそのものを一部自分だけに分かる暗号やヒントで記載するなどの工夫をおすすめしております」
“誰が買うねん”から“最強”へ、相次ぐ情報漏洩は110円の“超アナログノート”の評価を一変させたようだ。