King & Prince高橋海人(24)とSixTONES森本慎太郎(25)が主演を務める『だが、情熱はある』(日本テレビ系)の第6話は、若林(高橋海人)と春日(戸塚純貴/30)が、人気お笑い番組のオーディションに合格。収録にも参加できて浮かれていたが、放送されることがないまま日々が過ぎていく様子が痛々しかった。一方、山里(森本慎太郎)は、山崎静代(富田望生/23)と2人でボケる台本に限界を感じる。自分は天才だと鼓舞してきた男が、相方を生かすことに活路を見出すまでの葛藤に鳥肌が立った。

■あんたは幸せ? と聞かれてとまどう若林のリアルさ

 若林は、いつも自分たちを気にかけてくれる、先輩芸人・谷ショーさんこと谷勝太(藤井隆/51)に、「あんたは今、幸せ?」とたびたび聞かれるのだが、いつも苦しい表情になってしまう。持病の治療で入院している谷ショーのお見舞いに行ったときも、幸せなのかと聞かれたが「どこに向かっていけばいいか分からない」と漏らした若林が痛々しかった。

 若林にとって、谷ショーは素直に心の内を話せる貴重な存在なのだ。谷ショーも、若林の不器用さを分かりながら、話を聞いてあげている優しい人だ。その谷ショーが退院して物まねパブに復帰して、舞台で歌い踊る姿に「元気そうっすね。たいしたことなかったみたいでよかった」と安堵した若林だが、客席最後部からステージを見守っていた先輩から「たいしたことない人が、何か月も入院するか?」と言われ、じょじょに表情が変わっていく。

 谷ショーの舞台でのキメ台詞、「ねえ、今幸せ?」には深い意味があったのだ。まるで命を削って舞台に立っているかのように、死ぬのは舞台の上だと言わんばかりに、歌い踊る谷ショーの姿。それは、若林にとってはまぶしすぎる姿に映っただろう。みるみるうちに目に涙がたまって、スッと頬を伝った。

 演じる高橋は、涙を見せるときの表情が抜群にいい。見ているこちらまで、もらい泣きしてしまう切なさがある。谷ショーのように、「あたし今、幸せかもー!」「あたし生きてるー!」そんな風に、舞台で叫びたくなるほどの充実感を、若林にも実感してほしいと願ってしまう。