■今までの大河ドラマはもうおしまい?

「もともと、大河ファンは歴史好きな人が多く、史実の違いが気になってしまうのでしょう。そういう人はすでに離脱していて、古沢氏が脚本を手掛けてきたドラマのファンなど、今までにない視聴者がついているんだと思います。ただ、それで、視聴率が当初の15%台に戻せればいいのですが、そう、うまくはいかないようですね」(ドラマライター/ヤマカワ)

 新しい試みは半ば成功、半ば失敗といったところか。しかし、この試みは次作も続きそうだ。

 今作は家康を「ナイーブで頼りないプリンス」として描くなど、大胆なアレンジを施した今までにない大河となっている。来年放送の紫式部の生涯を描く、吉高由里子(34)主演の『光る君へ』は、「変わりゆく世を自らの才能と努力で生き抜いた女性の愛の物語」と謳われており、こちらも、かなり大河のイメージとかけ離れているようだ。

「挑戦的な大河ドラマが2作続くのは、NHK自体が新しい大河を模索しているのでしょう。しかし、東京オリンピックを描いた『いだてん』ほどの大ゴケはないにしても、従来の大河ファンはますます離れそうです。『光る君へ』も厳しそうですが、挑戦的な姿勢は評価したいですね」(前同)

 第11回以降は視聴率が10%から11%台と低迷していて、昨年の『鎌倉殿の13人』の全話平均の12.7%に及ぶことも難しそうな『どうする家康』。しかし、BSやネット配信など、視聴方法が多様になっており、視聴率だけで視聴者の支持を見極めるのは難しい。はっきりいえるのは、大河ドラマは、“今が変化のとき”ということだろう。