King & Prince・高橋海人(24)とSixTONES・森本慎太郎(25)が主演を務める『だが、情熱はある』(日本テレビ系)、6月18日放送の第11話(世帯平均視聴率=4.3%/ビデオリサーチ調べ/関東地区)は、若林(高橋海人)が芸人として成功していく中で、大切な人たちとの別れが重なっていく。
二度と会えない人への温かい言葉をつづるときに見せる、高橋の表情と声が切なすぎて泣けてくる。また、第11話放送翌日の6月19日時点で、ドラマの公式YouTube総再生回数が1億回を突破。同局ドラマ史上歴代1位という輝かしい記録を打ち立てた(日テレドラマ公式チャンネル発表)。
■大切な人との別れを乗り越える若林に泣く
若林(高橋)は書籍情報雑誌でエッセイの連載をスタートさせる。エッセイをノートPCで作成する若林と、原稿の元になったエピソードシーンがカットバックで映し出される。そこに、原稿を読む若林の声を入れているのだが、話し方が落ち着いていて、どこか寂しそうなのが胸に響く。
この感覚、高橋が以前出演した『姉ちゃんの恋人』(フジテレビ系/2020年)で、ナレーションをしていたときのことを思い出す。姉ちゃんへの優しい言葉には切なさがあって、感動シーンでもないのに泣けてしまうということが、何度もあった。
若林は、大好きなばあちゃん、自分を認めてほしかった父親、尊敬する先輩芸人、それぞれ大切な人が亡くなったことに真摯に向き合い、言葉をつむいでいく。ノートPCを打つときの重たい表情と、書いた原稿をつぶやくようにゆっくりと読み上げる声のトーンに泣きそうになる。
これが、世間から無視されていた売れない時期に起きたことだったら、立ち直れないほど落ち込んだだろう。だけど、エッセイを書くことで、自分の想いを文字で伝えることができる。ラジオの冠番組で、笑いネタとして言葉にすることで、気持ちの整理ができる。芸人として成功することをあきらめず、努力してつかんだ仕事で想いを昇華させることができて本当によかったと思う。
また、山里(森本慎太郎)の単行本にあとがきとして寄せた言葉もすてきだった。文章を作成していたのはいつもの喫茶店だったが、これまでのランプ照明の暗い雰囲気から一転、明るい太陽の日が差し込む中だったのが印象的だ。山里への尊敬と、同志としての信頼が、強くて明るいものであることを表現しているようだった。