地上波ドラマとしては異例の大規模なモンゴルロケを敢行した日曜劇場『VIVANT』(TBS系、21時~)。主演の堺雅人(49)のほか、阿部寛(59)、二階堂ふみ(28)、役所広司(67)に加え、第1話でサプライズ出演した二宮和也(40)、第3話での登場が注目される松坂桃李(34)と、主演級の俳優を揃える豪華なキャスト陣も話題だ。

 第2話(7月23日放送)の平均世帯視聴率は11.9%(すべてビデオリサーチ調べ/関東地区)。第1話(7月16日放送)の11.5%から微増し、視聴者をキープしているが、一方で手厳しい意見があるのも事実だ。

「アクションシーンやVFXの点で物足りなさを指摘する声もあります。第1話では爆発シーンがありましたが、Netflixなどの配信ドラマなら、炎のなかで人が吹っ飛ぶような演出があったはず。『VIVANT』にそういったシーンはなく、遠巻きに爆発の煙が上がっているカットがあるだけでした。

 また第2話では、堺さん演じる商社マンの乃木憂助らがラクダに乗って壮大な砂漠を進む場面もありました。圧巻ではあったものの、“せっかく海外ロケをしたんだからできるだけ大自然を撮影しておこう”とでも言わんばかりに、風景だけが主張される場面も少なくなかった。素晴らしい画を撮影するためにお金をかけているのはわかるんですが、アクションやVFXにもお金をかけて欲しかったという意見も聞こえてきます」(制作会社関係者)

 視聴者からは、《アクションシーンが安っぽい》《ドローン頼りで演出もほとんどなし》《景色は雄大で素晴らしいのに悲しいくらいセンスのない映像》といった厳しい声も上がっている。

 ドラマ評論家の吉田潮氏はこう話す。

「地上波ではありえないようなスケール感で、個人的には単純にすごいと思いましたね。ただ、ハリウッド映画やお金がかかった配信ドラマを見慣れている視聴者にしてみれば、大風呂敷を広げすぎてしまった分、ハードルが上がっているところもあるかとは思います。ただしカメラのアングルについては比較的オーソドックスな“地上波ドラマらしい”ものが多く、そこに古臭さを感じてしまった人もいたかもしれません」