国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会のメンバーが8月4日、日本政府と企業の人権を巡る義務や責任についての調査を終えたとして日本記者クラブで記者会見を行なってから5日。同会見の内容が大きな波紋を広げている――。

 ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏(享年87)による所属タレントへの加害問題について「同社のタレント数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという、深く憂慮すべき疑惑が明らかになった」などと厳しく指摘。

 さらに「日本のメディア企業は数十年にわたり、この不祥事のもみ消しに加担したと伝えられている」とメディアの責任にも言及した。

「3月にBBCが“ジャニー氏の闇”に焦点を当てたドキュメンタリーを放映して以降、大手メディアもようやくこの問題を報じるようになりました。ただ、実はここにきて、テレビ各局の報道の仕方にも変化が生じているんです。

 騒動になった当初はVTRを流して終わる、というストレートニュース的な扱いで、事態を報じるもののキャスターなど番組出演者はコメントはしないような構成だったんです。それがここ最近はニュースを報じ、それに出演者がコメントするという構成に変わってきている。

 普通のニュースはそれが当たり前の取り上げ方でしたが、ジャニー氏の問題もそうなってきているということです。今までは逃げ腰で“一応、報じてますよ”というポーズとも言えるような扱い方だったんですが、報道においては“忖度”はいっさいなくなってきているんです」(制作会社関係者)