■お盆に日本列島直撃、台風7号の向かう先は?

 前出の気象予報士の原田氏はこう話す。

「現状では、関東地方に上陸するかもしれませんし、東海、四国地方を直撃する可能性もあります」

 なぜ、これほどまでに曖昧な回答になるのか。

「台風が動き出さないことには、進路予想ははじき出せません。皆さんが天気予報で目にする機会が多い台風の進路予想図も、あの丸い枠内を70%の確率で台風が移動しているというものなんです。高気圧の影響などで台風の向かう先は変わります。ですから、動きが停滞している台風7号に関して言えば、また沖縄へと向かう可能性もゼロではないんです」(前同)

 温暖化が進む今後、台風の影響でこれまでとはどんな変化が起こると考えられるのか。

「1時間に50ミリ以上の降雨量をもたらす大雨は、1980年代に比べると2倍に増加していると気象庁の統計で発表されています。近頃、災害報道の際に、台風の影響を目の当たりにした方が“以前はこんな大雨はなかった”“川の氾濫も見たことがない”と語る様子がテレビなどで流れることもありますが、これは数字上も正しいのです」(同)

 災害大国と化している日本。身近でできる対策はどのようなものになるのか。原田氏はこう話す。

「避難指示が出たら必ず、“逃げる”という癖をつけてもらいたいです。気象庁が出している防災マップ『キキクル』をインターネット上で見てもらえれば、自分の住んでいる地域の警戒情報はひと目で分かります。しかし、それだけでは十分とは言えません。高齢住民は特に地域間での声掛けを重視してもらいたいです」

 最後に頼りになるのは人と人とのつながりというわけだ。“自分は大丈夫”とは決して思わず、早め早めの対策を取っていただきたい。