■“市場”の違いが明暗を分けた?
資生堂は海外売上比率が7割を超えるグローバル企業で、リスク管理に対する意識も高かった。そのため、当時本格的にジャニー氏の問題が報じられているなかで「ジャニーズと契約するのはまずい」という話になった、と『文春』は報じている。
「海外では日本以上に、児童への加害は非常に重く取り扱われ、今回の騒動も大問題視されていますからね。木村さんには全く非はないとはいえ、資生堂はジャニーズタレントの起用を取りやめた、ということなんでしょう」(前出のワイドショー関係者)
その後も“ジャニー氏の闇”は連日のように報じられ続け、ついに国連人権理事会「ビジネスと人権」の作業部会も動き出す事態に。
先の8月4日に行なわれた会見では、作業部会のメンバーが「同社のタレント数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという、深く憂慮すべき疑惑が明らかになった」などと厳しく指摘。来年6月に国連の人権理事会に報告書を提出する予定であることも明らかにしており、今後も国際問題として扱われ続けることは間違いないだろう。
そんな状況下で、目黒がコーセーのCMに起用された理由――。
「おそらく、海外売上高比率の違いが影響している可能性があります。『文春』で資生堂は“海外売上比率が7割を超えるグローバル企業”と報じられていましたが、対するコーセーはまだ海外進出が軌道に乗り切っておらず、国内の方が比率が高い状況にあるんです」(夕刊紙デスク)
コーセーは2023年12月期第1四半期の営業成績を公表しているが、地域別売上高の構成比は、日本60.6%、アジア18.6%、北米19.0%、その他1.9%となっている。
「もちろんコーセーも海外進出を進めてはいますが、現時点では国内の方が主な市場となっています。それが、目黒さんと木村さんの化粧品CM出演の“明暗”を分けたのかもしれませんね。
もっとも、ジャニー氏の問題が解決しない限りは、国内メインの企業でも起用をためらう会社は増えていきそうな気配ですが……」(前同)
思わぬ形で明暗が分かれた新旧キムタクのCM事情。ジャニー氏の加害問題は各タレントの仕事にも大きな影響を及ぼしてしまっている――。