世界初の高速鉄道であり、1964年に開催された東京五輪のタイミングで開通した東海道新幹線。東京と大阪間を結ぶ2時間半ほどの電車の旅を利用する乗客の楽しみの一つとなっていたのが、開通時から続く「車内販売サービス」だ。

 そんな車内販売サービスの終了が運行を担当するJR東海から発表されたのは、8月8日のことである。JR東海の広報担当者に車内販売終了の理由を尋ねた。すると、

「駅構内にある店舗の品揃えが充実したことで、車内に食べ物を持ち込むお客様も増えました。それに比例する形で売店の売り上げも右肩上がりです。また、車内環境を静かにして欲しいと望むお客様からの要望もありサービス終了となりました」

 ということだった。それ以外にも、パーサー(車内販売員)の数が減少し労働力が不足したことも影響しているという。現在は携帯電話用のモバイルバッテリーなども含め50〜60品目を販売している車内販売。今後は違う形で存続することとなる。

「のぞみ号とひかり号、全16両のうち8、9、10号車であるグリーン車の席にQRコードを設置。それをお客様の端末から読み取って貰うことで、商品を注文出来るモバイルオーダーシステムを11月1日から導入します」(前同)

 という。モバイルオーダーシステムで注文可能な商品は現在車内で販売されている60品目の内、売上数の7割を埋める上位15品目が選ばれるという。

「具体的にはお茶、飲料水、ビールなどです。お客様からの注文内容次第ではメニューの変更もありえます」(同)

 とのことだ。