■注意を払うべきは“震源の深さ”! 噴火のリスクに用心
一方、今後起こりうるリスクとしてはどのようなものが考えられるのか。
「トカラ列島周辺で起きている地震は火山性地震であると考えられる。プレートの浅い部分にあるマグマが上方に向かって動くことで、プレートの動きにも影響を与え地震につながっていると見られます。一帯は口之島、中之島、諏訪之瀬島と活火山がある島で構成されている。このことから火山噴火の可能性は十分にあり得ます」(前出の島村氏)
噴火の予兆を感じ取ることはできるのか。島村氏は“キーワード”に震源の深さをあげる。
「現在、震源の深さは30キロほどとされています。これが10キロを切ると噴火のリスクが非常に高いと考えたほうがいい。震源が浅くなれば揺れも大きくなりますし、津波のリスクも出てきます。避難情報に注意を払うべきでしょう」
トカラ列島近海では、震度1以上の地震を158回計測した9月9日をピークに地震の計測回数は減っている。しかし、今後もまだまだ注意は必要だと島村氏は警鐘を鳴らす。
「火山性地震は一進一退を繰り返します。地震の計測回数が減ったからといって、活動が沈静化したとは限らない。用心に越したことはありません」
日本列島で生きるには、備えあれば憂いなし、の言葉を忘れないほうが良さそうだ。