■ドラマのキャッチが鍵
「実はこの作品のテーマは多様性なんです。作品のキャッチコピーに《敵か味方か、味方か敵か》とありますが、ストーリーでは敵と味方が何度も入れ替わっています。メインの別班の乃木と公安の野崎は敵なのか味方なのかわからない状態ですし。乃木自身も別班でありながらテントに合流したりと、立場がクルクルと入れ替わっていますしね」(テレビ誌ライター)
確かに、誰が何者だったのか、少しでも見逃したシーンがあると、分からなくなるほどだ。
「登場する民族も、バルカではモンゴル系、ロシア系、イスラム系、中国系と多様です。日本のシーンでは神社が多く登場しますが、その一方で、公安が全員で神棚に一礼した後、一人だけ十字を切る人物を描写したり(第4話)、さまざまな立場の共存が描かれてきました」(前同)
そうなると、ラストは悪いやつらをやっつけるというような、単純な勧善懲悪の終わり方になりそうもない――?
「乃木がどういう立場を取るか分かりませんが、テロ組織でありながら孤児の保護に取り組む、テントの存在を認めるというオチになるかもしれません。みんなが共存する、言ってしまえば、何も起こらないラストです」(同)
もちろん、最終回には感動的な展開が演出されるだろうが、最後は意外とあっさりした結末になるのかもしれない。
『VIVANT』プロデューサーの飯田和孝氏は9月16日、番組HPなどで最終回直前での物語の注目ポイントを語っていて、“ラスト”についてはこう言及している。
《考察を楽しんでくれている皆様、そんなものはどうでも良いとすら思えてしまうシーンがドーンと待ち受けています。出演者の皆様も、口にしていますが、“家のテレビが壊れてしまうんじゃないかという豪華なシーン”を是非楽しみにしていただければ嬉しいです》
果たしてどのような結末を迎えるのか――ラストシーンまで目が離せない。