8月末から9月3日までの間で、新型コロナウイルスに感染した新規患者数は、全国で10万人を超えている。感染力が強いとされる新たな変異株、通称「エリス」は国内でも広がりを見せており、第9波の到来かとも言われており、予断を許さない状況だ。

 そのコロナと歩みを合わせるかのように、爆発的な感染拡大を見せているのがインフルエンザである。厚生労働省が9月15日に行なった発表によれば、9月4日から10日の間に全国で確認された新規感染者数は9万人超えとコロナウイルス同様、その感染力は脅威そのもの。

 まさに、疫病パンデミックといった様相を呈している日本列島だが、そんな島国に“新たな感染症”が忍び寄らんとしている。

《職場で“はやり目”が流行中。もう感染症はいやだ》
《子どもが通う保育園やスイミングスクールでも大流行している》

 SNSには、こうした悲痛な叫びが多数投稿されている。

 目の充血やかゆみと痛み、とまらない涙、まぶたの腫れといった症状を引き起こす「はやり目」。今のところ治療薬はなく、ひどい場合は1カ月以上も症状が続き、重症化するリスクもあるという。そんなやっかいな「はやり目」流行の兆しを、現場で働く医師も感じ取っている。

「はやり目の患者さんは増加傾向にあると思います」

 そう語るのは、神奈川県横浜市にある「はまっここどもクリニック」の望月優暁院長である。

「はやり目(流行性角結膜炎)は、結膜と呼ばれる目の表面を覆う粘膜の炎症で、アデノウイルスによって引き起こされる感染症です。およそ1~2週間ほどの潜伏期間を経て症状が出ます。最初は片目に出ることが多く、やがて両目とも感染します。

 ウイルスの感染力が比較的強く、接触感染と飛沫感染のリスクがあり、子どもの場合はプールの水遊びや、保育施設などにある共有のおもちゃや遊具などが原因で感染が広がる。当クリニックの場合、今年の7月ごろまで患者さんは0人。しかし8月以降、週に2~3人“はやり目”に感染した患者さんが来院されるようになりました」(前同)