JR大阪駅の目の前に位置する阪神百貨店。こちらの建物をぐるりと人だかりが囲んだのは9月24日のことである。見渡す限りの人の数は2800人にも及び、当日の開店時間は通常よりも1時間15分早い、8時45分に繰り上げられたというのだから驚きだ。

 阪神タイガースが優勝を決めたのは14日に甲子園で行なわれた読売ジャイアンツとの伝統の一戦でのこと。それから10日経ってから阪神百貨店が大混雑の様相を呈した背景には、どんな理由があるのだろうか。阪神百貨店・販売推進部広報担当者に話を聞いた。

「阪神タイガースの優勝セール自体は9月15日から始まっています。しかし、タイガースは9月に破竹の11連勝。そのため、優勝記念グッズの製造が間に合いませんでした。やっと発売できたのが24日から。それに合わせて多くのお客様にご来店をいただいております」

 前回優勝を成し遂げたのは2005年。その時の指揮官である岡田彰布監督(65)が再度就任した23年シーズン、猛虎軍団は勢いに乗った。7月28日に首位に立つとその後、独走体制を築き上げ18年振りのシーズン制覇を成し遂げたのである。

 多くの虎党が待ちわびたであろう歓喜の瞬間。優勝記念グッズを最初に購入した男性が発した言葉には、担当者も胸を打たれたと明かす。

「優勝記念グッズ自体は30種類ほど販売しているのですが、どれもお一人様1点限り。それらをすべてお買い求めいただきました。よっぽど嬉しかったのか“棺桶に一緒に入れてもらいたい”とおっしゃっていて、優勝を待ち望んでいたのが手に取るように伝わって来ましたね」

 リーグ優勝を祝う際に選手が着用したビールかけTシャツを筆頭に、数多のグッズが発売された阪神百貨店。

※画像提供:阪神百貨店