■最初に売り切れたのは――

 虎党・トラコから熱い支持を得た商品はなんだったのか。

「開店後、1時間も絶たずに売り切れたのが優勝記念のリストバンド(1501円・税込み)。お客様には申し訳ないですが、売り場には“完売”の紙を貼らせていただきました」(前出の阪神百貨店・販売推進部広報担当者)

 阪神タイガースの勝利後に甲子園を覆いつくす、六甲おろしが流れる売り場内。お目当ての商品の完売を目の前に、会場はため息に包まれるかと思いきや、虎党たちの反応は皆、一様に明るいものだったという。

「来店するお客さんは、皆様“ありがとう”と、口にしてくださいました。優勝の二文字から遠ざかった18年という歳月の重みを感じましたね」(前同)

※画像提供:阪神百貨店

 リストバンドが売り切れた1時間ほど後には、岡田監督が宙を舞った胴上げの様子が描かれた似顔絵トートバッグ(2001円・税込み)の在庫が底をついたという。すると、間髪おかず、同じく胴上げ時の様子を描いた似顔絵がデザインされたシングルサイズのブランケット(15001円・税込み)も品切れに。

 人気商品にはある共通点があったと、広報担当者は明かす。

「すべて日常使いができるものなんです。会場には老若男女問わず、訪れていただきました。売り場でブランケットを手に取ったお客様には“赤ちゃんが寝るのにピッタリ”とおっしゃっていただいて。タイガースは皆様に愛されているんだなと……」

 今後、タイガースは岡田監督が現役選手としてプレーした1985年以来となる日本一への挑戦が始まる。日本一へと輝いた暁には再び記念商品を発売するのか?

「発売します! と言いたいところなのですが、これからクライマックスシリーズが始まります。まだまだ気は抜けません。まずは目の前の1勝に向けて社員一同“一生懸命応援します”」(前同)

 クライマックスシリーズの阪神戦は10月18日から。虎の日本一への戦いが幕を開けるが、そこにはファンだけでなく阪神百貨店の売り場関係者も熱い視線を送る――。