■野生のサルと遭遇した時の対処法!「絶対NG」行為とは

取材に応じてくれたパンク町田氏

 環境省の『ニホンザルの保護・管理に関する最近の動向』によれば、全国におけるニホンザルの捕獲数は年間2万~2万5000頭ほど。近年では捕獲数そのものも増加傾向にあるという。新天地を目指しているかもしれないサルたちは、いったい茨城のどこへ向かっているのか?

「う~ん、推測になりますけど……仮に、栃木や群馬、福島あたりから来たサルの群れだとすれば、冬場でも晴天が多く、日光浴がたくさんできる茨城南部に向かうかもしれません。たとえば豊かな森がある牛久、あるいは同じく自然豊かな龍ヶ崎方面とか。

 しかも、今年はサルたちのエサであるブナの実が不作。ブナの実はイノシシやクマもエサとして食べている。このままではサルだけでなく、時間差でイノシシやクマもエサを求めて移動する可能性も大。サルが出没した付近に住んでいる方々は気をつけないといけません」(前出の町田氏)

 野生のサルと遭遇した場合、人間はどう対応すればよいのだろうか。町田氏はこう話してくれた。

「野生のサルは人間を見ると逃げ出します。それでも目を合わせようとしたり、大きな声を出したりするのはサルが興奮するのでダメ。ところが人間慣れしたサルは、住宅の中に侵入したり、人を襲ったりすることもある。

 サルがそうなってしまう原因のひとつに“人間による餌付け”が挙げられます。観光客などがかわいらしいと思って野生のサルに餌付けをした結果、人間を恐れなくなったサルが害獣化してしまう……。だから安易な餌付けは絶対にしないでほしいです」

 10月は本格的な行楽シーズンが始まる。サルに限らず野生動物への餌付けは「絶対NG」です!  

パンク町田
ULTIMATE ANIMAL CITY代表。NPO法人生物行動進化研究センター理事長、アジア動物医療研究センター(日本ペット診療所)センター長。昆虫から爬虫類、鳥類、猛獣といったあらゆる生物・動物の専門家。野生動物の生態を探るため世界中に探索へ行った経験を持ち、3000種以上の飼育技術と治療を習得している。