本州で唯一サルが生存しないと言われてきた茨城県で「異変」が起こっている。2023年4月以降、住民から「サルを見た」という通報が急増しているのだ。9月末時点で100件以上ものサル目撃情報が寄せられており、県の公式サイトでは「野生のサルが目撃されています。注意してください」と、県民に向け注意勧告がなされているほど。
そもそも茨城県にサルがほとんどいない理由は諸説ある。最も有力なものとして、西に鬼怒川、南は利根川、そして東には太平洋が存在するというものだ。三方を川と海に囲まれた地形の影響から、サルが県内へと移動するのが大変難しいというわけだ。
そんなサルなし県に突如現れたサルの群れ。ワイドショー『サンデージャポン』(TBS系)やバラエティ番組『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ系)などのテレビ番組にも出演、動物研究家として活動するULTIMATE ANIMAL CITY代表のパンク町田氏に話を聞いた。
「群れからはぐれたいわゆる“離れザル”というよりも、他県にいたサルの群れが茨城方面に移動しているのではないでしょうか。群れの中でサルの個体数が増えてしまい、自分たちのテリトリーである森が手狭になったのではと。そうなれば当然、エサなども不足してしまう。
そうなるとサルたちは、生き残るため新天地を求めて移動するしかなくなります。もし群れごとの移動という見方が正しいのであれば、茨城県の自然豊かなどこかの地域に、今回やって来たサルの群れが定住するなんてことも起こりえます」