今、昭和のレトロ系ソフビが空前のブームになっているのをご存じだろうか。希少性の高いものは、1本100万円を優に超す超高級腕時計の代名詞であるロレックスの収集家も驚く、高価格で取引されているという。
そもそも“レトロソフビ”とはなんなのか。
“レトロソフビ”とは1960年代にソフトビニール(PVC=塩化ビニール)を原材料にして作ったソフビ玩具の総称だ。当時は仮面ライダーやウルトラ怪獣、ゴジラなど、特撮系のキャラクターが多数立体化されていた。
ちなみに日本で初めてソフビを商品化したのはマルサン商店というおもちゃ会社。『ウルトラマン』や『ウルトラQ』に登場する怪獣たちを全高約24センチのスタンダートサイズでソフビ化。1体350円で販売したところ、子どもたちの間で人気に火が付き、月産10万個の注文が殺到したという。
つまり、レトロソフビは古き良き昭和の“レガシー玩具”なのである。
「レトロ系のソフビは店頭の在庫がなくなるくらい売れていますよ。市場での取引価格も軒並み高騰している」
そう話すのは、漫画やフィギュアなどの買取・販売を行なっている、東京・秋葉原にある、まんだらけ秋葉原ソフビ専門店「まんだらけCoCoo」の藤田哲平店長だ。
「コロナ前くらいから、海外のソフビファンが増えたように感じます。往年のファンの方々だけではなく、ウルトラ怪獣や特撮ヒーローのことはよくわからないけど、SNSなどで見かけた昭和ソフビのゆるくて丸っこいデザインや、独特のレトロ感に惚れ込んだ若い世代が購入している印象です。
今はインバウンドも復活しているので、香港などから日本のレアソフビ目当てに来店される富裕層のお客様も多い」(前同)