■“お出かけの秋”の落とし穴
これまでは「そろそろ涼しくなって蚊もいなくなった」と喜んでいたところだが、今年はむしろ夏以降の季節である今が蚊の“本番”。刺される前の対策も肝心だ。
「お出かけの時は使いやすくて効果が高い、肌に塗るタイプの虫よけ剤がおすすめですね。ただし日焼け止めと同じで、塗ったところにしか効果が出ない。腕の外側には塗っても内側に塗れていなかった場合そちらが刺されてしまうので、ポイントは塗りムラがないようにしっかりと塗り広げていただくこと。
キャンプなどで対策をする場合、携帯タイプで電池式の虫よけが便利です。蚊を寄せ付けない薬剤が含まれていて、ファンの力で薬剤を人間一人分の空間に拡散させるという優れもの。火や熱も使わず塗る手間も省け、手軽に使っていただけます」(前出のフマキラー広報担当者)
家での対策は?
「蚊取り商品もどんどん進化していて、最近では部屋の中でシュッと一吹きするだけで長時間空間に薬剤が漂い続け、蚊を駆除できるワンプッシュ式が主流になってきています。寝室、リビングなどどこにでもお使いいただけて、後片付けも不要ということで人気です。
蚊が活動する最低温度は10度~15度といわれています。今年は、今後の気温次第で11月に入る頃までは対策が必要になってくるかなと思っています」(前同)
行楽シーズンの秋だが、例年より高い気温が続く今年は“お出かけにちょうどいい”時期が後にズレる可能性もあるということ。さらに、気をつけるべきは蚊だけではない。本来であれば蚊と同じく夏に行動を活発化させるはずである、マダニの姿も散見されている。
「マダニに噛まれると重症熱性血小板減少症候群(SFTS)のような感染症にかかるケースもあります。西側はまだまだ暑い日が続いていますし、お出かけの秋といっても、より気をつけて対策をしていただけたらと思います」(同)
日本が“亜熱帯”化しているというのは誰しもが体感しているのではないだろうか。“蚊やダニが活動するピークは7月~8月”という古来日本の感覚は、すでに通用しなくなっている。”蚊”が秋の季語となる日も遠くはない!?