■企画したのは「20代の元気なオタク女性」

 SNSで話題となっている「推し壇」。どんな反響が消費者からは寄せられているのだろうか?

「商品の特性上、PRに関しては一部のWEBメディアと自社のSNSのみに限定しておりましたが、リリースからわずか1日で約1万RT、160万の閲覧という反響がありとても驚いています。否定的なコメントもあるのではないかと危惧していましたが、想像以上に好意的な評価をいただき、大変ありがたく思っています」(『はせがわ』担当者)

 この商品を企画したのは社内で働く24歳の女性社員だという。

「現在、2次元ジャンルをこよなく愛す、元気なオタクです。この商品は社内での反響も上々。実際に使用している社員からは“ここまで推しを愛している事を実感できてうれしい”との声が上がっています」(前同)

別売の「壁掛け棚」で壁に設置することも可能 ※画像ははせがわ提供

 大切な人のために使われる仏壇。そんなメーカーが作り出した、日常使い向けの商品にはどの様な企画意図があるのか。

「開発者である女性社員もそうですが、推しを持つ方にとって推しの存在は生きる支えであり、アイデンティティになり得るもの。“推し”に感謝と祈りを捧げる行動は“心の平和と生きる力”を実現させます。

 そんな折に、新商品開発や販促企画など、社員のチャレンジ性の高いアイデアを社内公募する機会があった。そこで“推し壇”企画が採用されて開発が具体的にスタートしたというわけです」(同)

 発売されたのは10月9日のこと。現在の売れ行きはどうなのか。

「ありがたいことに想定よりも速いペースで販売しております。日本人は昔からご先祖様に対して祈りをささげてきました。今回は“推し壇”を通して、“推し”を敬い、感謝するといった新しい形の生活を楽しんでいただければと思います」(同)

 推しへの愛は、日本人の根底にある感謝と祈りの心のあらわれ。新たな生活様式にピッタリの商品が生まれたというわけか。