■恋愛リアリティ番組の進化!「観察」から「ギミック」へ

 恋愛リアリティ番組といえば、これまでは「観察バラエティ」といった位置づけ。出演する人物のキャラクターに依るところが大きかったが、ABEMAの手がける番組はいずれも何か一つ“仕掛け”があるのが特筆すべき点だ。

 たとえば『オオカミくんには騙されない』なら“嘘つき”、『今日好き』なら3日間という期間、『恋ステ』なら遠距離、『GIRL or LADY』なら年代別チームバトル――。

 元テレビ朝日社員でテレビ番組プロデューサーとして『AbemaPrime』などを企画した鎮目博道氏は、「恋愛リアリティ番組の進化」を指摘する。

「もともと恋愛リアリティ番組は、基本的には一般の人か、タレントさんといってもそこまで知名度が高すぎない人を起用するので、ギャラが安く済むうえにスケジュールの確保もしやすい。制作側にとってありがたく、見る側にも恋愛という軸があることにより共感してもらいやすいというメリットがありました。

 ただ、キャスティングに頼る番組制作では、どうしても当たり外れがある。この人はいいキャラクターだなと思って起用してもその後の言動がいまいちだったりすると、挽回がききにくい。かといって、制作側が無理やり煽ると出演者への誹謗中傷が起こりかねない。

 どう転ぶかわからないことで、制作側にとっては博打要素が大きいのも事実でした。そこへ一つギミック(仕掛け)があると、キャスティングに頼ることなく勝手にストーリーが盛り上がっていく」(前同)

※『オオカミくん-』シーズン1に出演した百成 瑛の公式X(ツイッター)『@akira_no_twi』より