例年、ハロウィン当日の10月31日には多くの人が集まり、騒音や路上飲酒、迷惑行為などといったトラブルが問題視されていた渋谷。過去、路上飲食や仮装の残骸が散乱した翌朝の惨状が報じられたこともある。2023年の実態はどうだったのか。ハロウィンの一夜が明けた11月1日の渋谷を直撃した。
9月、長谷部健区長は「ハロウィン目的で来街を予定している人がいるのであれば、考え直してほしいということを伝えたい。ハロウィン期間に渋谷駅周辺に来ないでほしいという意味です」と訴えた。
実際10月になると、渋谷駅周辺には《渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません》というポスターが大々的に掲出され、区としてハロウィンを警戒する姿勢をアピール。さらに18時~翌5時の間は路上飲酒も制限され、渋谷駅周辺のコンビニや量販店ではアルコールの販売自粛が求められた。
そんな今年の警備を「過去最高の物々しさだった」と、区民は語る。
「人が集まらないようにと、駅前にあるハチ公の銅像周辺には工事現場のようにぐるりと囲いが設置。封鎖された駅の出口もありましたし、センター街は右側通行の仕切り、スクランブル交差点につながる宮益坂からの道も一方通行と規制がかかりました。
スクランブル交差点には拡声器で交通整理をする指揮車のほか、全長350メートルほどのセンター街メイン通りの間には上から交通整理をするやぐらが複数設置されていた。また”立ち止まらないように”と通行人に呼びかける警官も3メートルおきに立っているなど、人の流れがとにかく誘導されていた印象です。これは22年、韓国・梨泰院(イテウォン)で雑踏事故があったことも踏まえての対策なのでしょう」
機動隊の車も過去一。数十台はいたという。
「ハロウィン当日の10月31日は15時ぐらいから車も配備されていました。ハロウィンの夜は地方からの車もたくさんやって来て爆音を鳴らしていたものですが、今年は路肩には機動隊の車がずらり。さらにコーンが等間隔に置かれ、路上駐車ができないように規制されていました」(前出の渋谷区民)