1924年に創刊されて以来、2012年の休刊まで88年間愛されてきた小学館の子ども向け学習雑誌『小学三年生』(小学館)。10月26日に11年ぶりに単号復活という形で『小学三年生 中学受験チャレンジ増刊 首都圏版』が発売されるや、その内容に大きな注目が集まっている。

 教育業界に詳しいライターが話す。

「23年に東京、神奈川、千葉、埼玉の首都圏に通う公立中学校の小学6年生の中学受験率は15.0%と過去最高でした。それに伴う形で中学受験熱も年々ヒートアップしています。『小学三年生 中学受験チャレンジ増刊』の発売はそれとリンクしていると考えられます」

 塾への教育資金や入塾の手続きを行なう大人向けに書かれた雑誌や書籍は数多ある。しかし、実際に机へと向かい勉強を行なうのはあくまでも子どもたち。そんな子ども向けにと、中学受験の流れを解説したのが今回の特別増刊号というわけだ。

 中学受験ジャーナリストのおおたとしまさ氏が、この時期に雑誌が発売された背景を推測する。

「入塾するのは小学3年生の2月。新小4にあたる学年が一般的です。中学受験は3年間のカリキュラムで進みますから、塾に入る前に子どもが中学受験を理解するのは今しかない。そのため、この時期に雑誌が発売されたのだと思います」

 小学4年生になる前の時期から塾通いが始まるとあっては、子どもは3年間勉強漬けの日々を送ることになるのでは? と心配にもなる。その点をおおた氏はどう捉えているのか。

「小学4年生から塾に通ったからといって連日21時まで授業があるわけではありません。初めは週に2回ほど、数式の手ほどきなどから始まります。むしろ最初は、勉強する習慣を付けるといった程度ですね」

 中学受験の勉強が過熱するのは、第一志望校へと向けて、勉強時間が積み重なり、模試のスケジュールなども過密になる5年生の2学期以降のことだという。