もうすぐ折り返し地点を迎える2023年の地上波テレビの秋ドラマ。各局がそれぞれ話題作を放送しているが、テレビ界で最重要視されている13~49歳のコア視聴率で今、異常事態が発生しているという。

「若い視聴者層の数値であるコア視聴率が高ければ、単価の高い“良いCM”が入ります。その層が高い購買力を持っているからで、スポンサーもその層にCMをリーチさせたい。ですので各局、コア視聴率が取れるような番組作りをしているわけですが……今秋は大きな異変が起きています。

 11月1週(10月30日~11月5日)は各ドラマの裏で、大注目された阪神タイガースとオリックス・バファローズによる日本シリーズが放送されていたため正当な評価は下せませんが、その前週、10月23日~29日にかけてのコア視聴率のドラマのトップ3では、思いがけない結果が出ていたんです」(ドラマ制作会社関係者=以下同)

 10月23日~10月29日に放送されていた連続ドラマのコア視聴率トップ3――まず第1位は、10月29日に放送された、鈴木亮平(40)主演の『下剋上球児』(TBS系)。世帯視聴率9.2%、コア視聴率3.2%だった。

※画像は『下剋上球児』の公式X(ツイッター)『@gekokujo_kyuji』より

「連ドラでも特にコア視聴率が取れる『日曜劇場』枠ですが、この日は裏で日本シリーズの第2戦が他局で放送されていた影響もあり、少々低かったですね。

 もっとも、『下剋上球児』は、本筋の野球ドラマと並行して描かれている“主人公・南雲の教員免許偽装”など、サスペンス要素が不評で数字を落としてしまっている、という背景もありそうですが……」

 そして、『下克上球児』に次いでコア視聴率3.0%で同率2位だった2本のドラマ――これが、今秋ドラマの異常事態を如実に表しているというのだ。

「10月25日に放送された水谷豊さん(71)主演の『相棒 season22』と、24日に放送されたTOKIO松岡昌宏さん(46)主演の『家政夫のミタゾノ 第6シリーズ』。テレ朝の“シリーズもの”が、コア同率2位だったんです。世帯視聴率は『相棒』が12.8%、『ミタゾノ』が8.0%でした。

 ちなみに、『相棒』は11月8日放送の第4話が世帯11.1%ですが、今シーズンの民放ドラマで初回から最新話まで世帯2桁を維持できているのは『相棒』だけですね」

『相棒』は、2000年から現在まで続くテレ朝の看板ドラマコンテンツ。昨年放送の『season21』で、主人公で特命係の杉下右京(水谷)の“初代相棒”である亀山薫(寺脇康文/61)が14年ぶりにカムバック。“5代目相棒”として復活したことで、注目を集めたのは記憶に新しい。

 寺脇は、『相棒』の「変わらない魅力」は電子機器や科学捜査の発達など時代の流れは取り入れつつも、

《初めて脚本を読む瞬間の楽しさは変わっていない、というのがすごいんですよ。誰もが罪を犯してしまう可能性を持っているという根本的なことを描いているところも『相棒』の変わらない魅力だと思います》

 と、10月18日に『オリコン』にコメントしている。