■安定感を求めて視聴する人が多い

 対する『ミタゾノ』は、2016年にスタートした、女装した大柄な家政夫・三田園薫(松岡)が派遣先の家庭を崩壊させ、そして再生へと導いていく、痛快“覗き見”ヒューマンドラマシリーズ。これまで金曜ナイトドラマ枠(午後11時15分~)で放送されていたが、10月10日スタートの第6シーズンで、火曜9時のゴールデン枠に昇格を果たした。

※画像は『家政夫のミタゾノ』ドラマ公式ツイッター『@mitazono_desu』より

 時事ネタを積極的に取り入れる作風は健在で、10月24日放送回では「闇バイト」と「VTuber(バーチャルYouTuber)」を盛り込んだ内容となっていた。

「コア視聴率で、王者・TBSの日曜劇場に次ぐのがテレ朝の、しかも長期シリーズもの。極端に高い数字ではありませんが、これは従来なら考えられないことでした。

 テレビ朝日は、特にドラマが、コア視聴率が取れない局と言われ続けていましたからね。同局は、良く言えば民放局の中ではコア層だけにこだわらず、幅広い層に向けて番組制作を行なっている局ですが、しっかりと高いコア視聴率が取れる作品は米倉涼子さん(48)主演の『ドクターX』シリーズくらいでした。それが、少しずつ変化が訪れているようですね」

 珍しくテレ朝ドラマのコア視聴率好調の背景――1つは、前クールに放送されて社会現象を巻き起こした堺雅人(49)主演の『VIVANT』(TBS系)の存在が影響している、とも言われている。

「“考察ドラマ”として圧倒的な人気を誇った『VIVANT』でしたが、その規格外作品の影響で、秋ドラマが比較されてしまい、少しでも近いものを感じさせるドラマは低評価をつけられてしてしまっている、と言われています。

 たとえば、二宮和也さん(40)、中谷美紀さん(47)、大沢たかおさん(55)のトリプル主演作『ONE DAY ~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系)は、演出・脚本の甘さが指摘されていることに加えて、謎が謎を呼ぶ群像劇という点で比べられ、その影響で評価を落としている感もあります」

 一方で、1話完結式の『相棒』や『ミタゾノ』は、『VIVANT』とは被っておらず、他局があれこれ新しいドラマジャンルを開拓しようとしている現状でも、そのノリは全く変わっていないため、

《ドラマ枠の増加、何クールも連続出演の俳優、サブスク限定のドラマ増加、みたいなドラマ戦国時代のなかで何も変わらないミタゾノの安心感やばい》
《ミタゾノさんはゴールデンでもミタゾノさんだったな。アップグレードもしないのに謎の安心感(笑)》
《最近は新ドラマが始まる度にわくわくしては観てがっかりの繰り返しだけど相棒だけは安心して見れるんだよな。今回も期待はしてないけど安心感を求めて観る》
《下手なドラマ見るよりやっぱり安定感あるわ今シーズンも楽しませてもらいます#相棒》

 といった声が、多く寄せられている。