■SDGs時代、予約販売を強化

 時代は変わり令和となった現代では、まだ食べられる食品を廃棄する“フードロス”への関心が高まっている。SDGs時代となり、別の角度から営業方法が見直されるようになったのだ。

「労基法違反とされていたところへコロナ禍がやってきて、路上での対面販売という方法は姿を消しました。SDGs的にも製造計画を見直し、予約販売を強化する方向にシフトしています。そのため、各社なるべく簡単に予約できるように、案内やアプリ対応などといった対策を講じている」(前出の渡辺氏)

 また、今年はクリスマスイブが日曜日ということもあり、コンビニでの路上販売はないのではとも予想する。

「当日販売分を確保しているコンビニもあるでしょうが、店先では積極的に販売しないと思いますよ。というのも、路上販売は会社帰りの人に対して”買いませんか”と呼びかけるのがメイン。今年は12月24日が日曜日なので、帰宅時にコンビニでケーキを購入という人も少ないでしょうからね」(前同)

 クリスマスケーキが、早くて24日の夜、翌日の25日に半額で売られている――そんな真冬の風物詩も、時代の変化とともに姿を消そうとしている。

渡辺広明(わたなべ・ひろあき)
1967年生まれ、浜松市出身。東洋大学法学部経営法学科卒業。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長・スーパーバイザーを経て約16年間バイヤーを経験。日用品を中心に、さまざまなメーカーと約750品目の商品開発に携わる。顧問、講演、メディア出演等幅広い活動を行っており、現在フジテレビ『LiveNews α』レギュラーコメンテーター。Tokyofm『馬渕・渡辺の#ビジトピ』パーソナリティ、YouTube『やらまいかビジニュース』。著書に『コンビニが日本から消えたなら』(ベストセラーズ)、『ニッポン経済の問題を消費者目線で考えてみた』(フォレスト出版、馬渕磨理子との共著)等。