■全都道府県を制覇、東京・銀座には超大型店舗も

『3COINS』は1994年、大阪市北区茶屋町に1号店がオープン。当時100円均一ショップが乱立するなか、色合いやデザインなどにこだわりがありながらも手頃な価格として販売価格「300円」をコンセプトにしたという。

 その後、デザイン力やアイデア力を武器に、出店数は増加。「テーマ性をもった商品づくりを考え、まとめ買いをしたくなるような工夫を心がけています」という前出の升川さんの言葉通り、細かい需要を丁寧に汲み取り、『3COINS』のほか、駅構内にある『3COINS OOOPS!』や『3COINS station』、食品まで取り揃えた『3COINS+plus』と4つの業態を展開してきた。

 そして今年2月23日には国内270店舗目となる「3COINS+plus CoCoLo新潟店」をオープン。新潟県は初出店。これで、全国47都道府県への出店を達成したという(23年11月現在305店舗)。

 出店計画について、広報の矢八有香子さんは、「現在はショッピングモールを中心とした大型店での出店が多いです。店舗の大型化により、企画力の強化、カテゴリーの開発などに尽力しています」と話す。

 19年にリブランディングを行なった『3COINS』は、都心での大型店の出店を目指し、21年にフラッグシップストアの原宿本店をはじめ、22年には売場面積約140坪と当時関東最大級で、商品ラインナップは2500種以上という超大型店『3COINS+plus 西銀座デパート店』をオープンしている。

 また、最近はインバウンド需要が高い店舗にはお土産となる商品も取り揃えているという。上野駅の店舗では、パンダがデザインされた限定アイテムが人気だと聞けば、立地を活かした店舗展開は十二分に成功を収めていると言えよう。

※画像は「3COINSスリーコインズ」の公式X(ツイッター)『@3COINS_news』より

 今後の出店について聞いてみたところ、前出の矢八さんの回答は「特段、出店を強化するわけではありませんが、さまざまな条件等を考慮し、需要が見込めるとこには出店を行なう方針です」とのことだった。

 その柔軟な姿勢こそ、『3COINS』が多数の人の心にヒットする商品を打ち出し続けられる秘訣なのだろう。

スリーコインズ(3COINS)
株式会社パルの運営する、300円を中心価格帯とした雑貨を取り扱う店舗。生活雑貨・インテリア雑貨・服飾雑貨・モバイルアイテム・キッズアイテムなど、様々なアイテムを取り扱い、「スリコ」の愛称で親しまれている。
大型店の「スリーコインズプラス」(3COINS+plus)、駅構内の「3COINS OOOPS!」、「3COINS station」等の派生形態も展開する。