平和の象徴とされるハト。そのハトを1羽、東京・新宿区の路上でひき、死に至らしめたとして、鳥獣保護法違反で逮捕されたのはタクシードライバーの小澤敦史容疑者である。

 この聞きなれない、鳥獣保護法という言葉。どのような法律なのだろうか。『news every.』(日本テレビ) などテレビ番組にも出演する、佐藤みのり弁護士が解説する。

「鳥獣保護法の正式名称は、“鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律”です。要するにこの法律は、野生の鳥類・哺乳類を守ったり、狩猟の適正化を目的に定められています。

 ただし、例外もあります。ネズミなどは人間の衛生環境に影響を及ぼしますので、保護対象外というわけです。違反すると1年以下の懲役または、100万円以下の罰金となる可能性があります」

 今回の事件の概要を全国紙社会部記者が話す。

「11月13日に、路上にいるハトをひき殺したとして、小澤容疑者は逮捕されました。警察の取り調べに対して、“道路は人間のものでよけるのはハトのほう”などと供述。容疑を認めています」

 路上にいる小動物を誤ってひいてしまうこと自体は、珍しいとはいえない。なぜ、警視庁は小澤容疑者を逮捕したのか。

「小澤容疑者は、群れになったハトに向かって急発進。故意にハトをひいたのが目撃者の証言で認められたと報じられています。

 事故後、目撃者が近くの赤信号で停車した小澤容疑者に“ハトをひきましたよね”と、声をかけたところ小澤容疑者は“ハトがよけるべき”などと答えたとのことですから、悪質性があると判断されたわけです。

 日常生活の中でも家にカラスやハトが来るからと、毒入りのエサを撒くなどすれば、故意性があるとして鳥獣保護法違反にあたります」(前出の佐藤弁護士)