趣里(33)主演のNHK連続テレビ小説ブギウギ』の第11週「ワテより十も下や」が、12月11日から放送されている。12月7日に放送された第10週「大空の弟」第49話は、ほとんどがステージの歌唱シーンという異例の構成が、視聴者から「神回」だと圧倒的な指示を受け、平均世帯視聴率も16.9%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と好調。

 第11週からスズ子(趣里)と演芸会社「村山興業」の御曹司・愛助(水上恒司/24)とのロマンス編が始まったが、2人の年齢差だけでない、さまざまな逆境を迎えるようで安心しては見ていられなさそうだ。

 第10週(12月4~8日放送)からの内容は以下。昭和16年(1941年)の春。スズ子は「福来スズ子とその楽団」を結成する。しかし、ジャズは敵性音楽だと言われ、公演の依頼はまったく来ないでいた。そんなある日、弟・六郎(黒崎煌代/21)が戦死したという知らせが届き、スズ子と父・梅吉(柳葉敏郎/62)は、突然の出来事に涙にくれる。

 12月になり、日本軍が真珠湾を攻撃して、米英との戦争に突入。戦争下で歌う場所を見つけられないスズ子と茨田りつ子(菊地凛子/42)に、羽鳥(草なぎ剛/49)は年末に合同コンサートを開催することを提案。スズ子はレッスンを再開するが、六郎のことが影響して、うまく歌うことができず苦しむ。

 そんなスズ子を励まそうと、羽鳥は六郎のことをモチーフにした新曲『大空の弟』を贈る。そして、合同コンサートの当日、スズ子は『大空の弟』を力強い歌声で熱唱。歌い終わると泣き崩れるが、羽鳥の合図で立ち上がると、『ラッパと娘』をダイナミックに歌いあげ、観客総立ちの大盛況で幕を閉じ……という展開。

 第10週では、六郎の戦死という悲しみと再びステージで歌えたことの喜びが、ほぼ同時に描かれた。これまでの朝ドラは、エピソードの定番である身内の死を、そのまま悲劇として描いてきたが、『ブギウギ』は悲劇と喜びを一緒に描いている。たとえば第4週では、ストライキで梅丸劇団の待遇改善を勝ち取った喜びと、大和(蒼井優/38)らの解雇という悲劇が同時に描かれていた。これは今までの朝ドラとは大きく違うところだ。