■民放各局がドラマ&音楽番組を増殖させているワケ

 民放各局はここ数年、ドラマを放送する枠を増やしてきた。フジテレビ(カンテレ制作)では2021年10月より月曜22時台に「月10ドラマ」枠を新設。テレビ朝日も2022年10月より火曜21時にドラマ枠を、2023年春にもテレビ朝日(ABCテレビ制作)の日曜22時を新設。さらにフジテレビ(カンテレ制作)の火曜23時、日本テレビの金曜24時30分にドラマ枠が新設されている。

「ドラマ枠を乱立させているのは、バラエティ番組に比べてまだドラマのほうが広告を入れてもらえるからという事情があるんです。そして、同じようなトレンドとして音楽番組も増えています」(前出の制作会社ディレクター)

 10月11日からはナインティナインがMCを務める『週刊ナイナイミュージック』がスタート。4月30日スタートのダウンタウン松本人志(60)と中居正広(51)がMCを務める『まつもtoなかい』(ともにフジテレビ系)もゲストを招いてのトークパートと、話題のアーティストやパフォーマーを招くパフォーマンスパートの2部構成となっている。

※画像は『週刊ナイナイミュージック』の公式X(ツイッター)『@99music_fujitv』より

「当然ながら老舗の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)や『CDTV ライブ! ライブ!』(TBS系)なども相変わらず人気です。これだけ、各局が音楽番組をやりたがるのには理由がある。それはリアルタイム視聴率が取れるから。しかも若い層のコア視聴率も期待できるんです。

 娯楽の多様化、SNSやYouTubeの浸透などもあり、テレビ離れは一層進行。テレビ界は“斜陽産業”と言われる状況になってしまった。そんな中にあって、音楽番組には可能性がある。

 推しのアイドル、アーティストが出るとなったら、リアルタイムに見たい、となりますからね。テレビ各局の歌番組が完全に振り切って若年層に刺さるアーティストを、積極的に音楽番組に起用していることからもそれがうかがえます」(前同)