2016年の『R-1ぐらんぷり』で優勝し、ダウンタウン松本人志が企画するAmazonオリジナル番組『ドキュメンタル』をはじめ、数々の番組で活躍する芸人・ハリウッドザコシショウ(49)。

 そんなザコシショウが、またしても破天荒な挑戦を発表した。自腹で放送枠を買い取り、制作費も全額出資。スポンサー・プロデューサー・構成・主役すべて自らが務める特別番組『提供ハリウッドザコシショウ』を、12月30日(土)25:00~25:55、tvk(テレビ神奈川)で放送するのだという。

「めちゃくちゃおもろいのができた!」と鼻息を荒くするザコシショウが、番組の見どころと、自らの芸人人生について大いに語ってくれた。(#1、2のうち1)

■「憧れた人は竹中直人さん」

 他の誰とも違う芸人、ハリウッドザコシショウ。黒パンツ1枚という限りなく裸に近い姿で繰り出される誇張モノマネは、一度見たら忘れられないインパクトを誇る。そんな彼が、芸人になろうと思ったのは、いつのことだったのだろうか。

――芸人としての原点は?

ハリウッドザコシショウ(以下、ザコシ) 小学生時代に見た『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)のビートたけしさんです。たけしさんのひと言で、みんながバカ笑いするし、場の空気が変わるし、子どもながらにすごいなって。

 中学生になると、今度は、『東京イエローページ』(TBS系)の竹中直人さんにハマりました。竹中さんがコントで演じる、訳わかんないキャラが本当に面白くて。僕の今の芸風は、完全に竹中さんの影響です。

 ただ、当時は静岡に住んでいて、周りの友達は、誰も『東京イエローページ』を見ていなかった。だから、理解者ゼロ(笑)。のちに吉本興業の養成所・大阪NSCに一緒に入る同級生も見ていなくて、でも結局、そいつとコンビを組んで大阪へ行くんですけどね。

■大阪は「お客さんよりも先に芸人仲間が受け入れてくれた」

――大阪の養成所時代はどうでしたか?

ザコシ 当時の大阪は、ツッコミがしっかりとした正統派漫才が圧倒的正義だったので、竹中さんがやっていたような、ツッコミのないシュールな笑いは見向きもされませんでした。だから、僕らのネタも全然ウケなくて。お客さんも大阪芸人しか笑わないって感じの雰囲気が当時は強くて、東京芸人のココリコやDonDokoDon(ドンドコドン)が修行のために来ていたけど、めちゃくちゃすべって、ブチギれて帰ってたし。

かつてを振り返って語るザコシショウ  撮影:冨田望

――そんな状況でも、芸人を続けられたのはなぜでしょうか?

ザコシ お客さんよりも先に芸人仲間が受け入れてくれたんです。同期の陣内智則中川家とかが、“お前らウケないし、変なネタやってんな”って、いじってくれて。それが救いになったんです。

 僕ら、ツッコミのタイミングで奇声をあげるようなネタをしていたんですけど、当時は、そんな変な漫才をするやつがいなかったから、舞台袖で、仲間が笑ってくれるのが嬉しかったんですよね。

 それに、相方と一緒に難波に住んでいて、みんなが2丁目劇場の出番終わりに、毎日のように遊びに来て、そんな生活が楽しくて本当に幸せだったんです。だから、ネタがウケないまま、ずるずると続けて、あっという間に10年が過ぎちゃいました。