■テレビ界は「ダウンタウンなき後の世界」に向き合う必要性

 民放キー局関係者が話す。

「ダウンタウンが引退するとなると、約16本以上の大型番組が消えることになるんです。そのほとんどがゴールデン・プライムで放送されている各局の顔とも言える番組ですし、特番も大型のものばかり。それが数年内にすべて消滅する可能性があるんです。

 それはつまり“ダウンタウンの引退”の時ですが――その際は、空いた枠を誰が埋めるのか、という問題が出てきますよね。今、パッと浮かぶのが千鳥かまいたちではないでしょうか。同じ吉本興業所属だし、人気も高く、実力も十分。ただ、彼らも現状のスケジュールはパンパンでしょうし、影響力や知名度はまだまだダウンタウンには遥かに及ばない。現実的にダウンタウンの代わりになるような芸人はいないんです。

 そんな今、テレビ界で言われているのが――ダウンタウンを頂点にした地上波バラエティ番組の制作モデルが一変するということ。テレビ各局は“ダウンタウンなき後の世界”に向き合う必要に迫られ、ダウンタウンの引退以降の“後継番組”は、バラエティだけではなく、ドラマ、音楽番組、教養番組も含めて、さまざまな可能性を探っていくことになるともっぱらです」

※画像は『人志松本の酒のツマミになる話』の公式X(ツイッター)『@cxSAKEnoTSUMAMI』より

 松本の裁判が長期化すれば、彼の引退を前に終了を迎える番組も出てくるだろう。

「ダウンタウンが偉大すぎたこともあり、テレビ各局は2人にかなり頼っていたところがあった。ところが数年以内に2人がテレビ界、芸能界の頂点からいなくなってしまう可能性がかなり高いと。そうなると地上波番組の内容や編成も一気に変わっていくことになる。

 ダウンタウンのキャリアを象徴する『ダウンタウンDX』がスタートしたのが1993年。これ以前からダウンタウンは大人気でテレビの中心にいましたが、引退となったら、つまり約30年ぶりに全局が“超”がつく改編に向き合う必要が出てくるんです。テレビ朝日ではダウンタウンの番組がありませんが、他局のあまりにも大きな動きは必至で、その影響を受けるのは避けられないでしょう。

“世界”を創り直す必要があり、まさに地上波テレビ界にとっては“試練”と言えるときになるはずです。一方で、“地上波テレビが生まれ変わるいいきっかけになるのでは”という意見も出てきていますね。それくらい、ダウンタウンの引退は、あまりにも大きな変化を生み出すということですね……」(前同)

 日本のエンタメ界からダウンタウンが消える――それは想像以上のインパクトのあることのようだ。今回の文春砲で加速する可能性が言われる、数年以内に訪れるであろう重大事態。その時、テレビ界は、どのような変革を遂げることになるのだろうか――。