宮城県仙台市に本社を置く新聞『河北新報』。東北地方のブロック紙として毎朝38万部超えを刷りおろす朝刊に「尿入りペットボトルポイ捨て問題」の文字が踊ったのは、1月13日のことである。
記事によると、宮城県南部の白石市越河地区にある国道4号線沿い3キロほどに、尿入りのペットボトルが多数捨てられている問題を受け、東北地方整備局仙台河川国道事務所は、現地にポイ捨て禁止を呼びかける標識を新設することを決めたとある。
ペットボトルは主に、長時間労働や指定時間までに積荷の配送を行なうことを義務付けられている長距離トラックのドライバーが捨てているとみられ、それは全国的にも問題視されていることだという。
現地の様子を、国土交通省岩沼国道維持出張所の担当者に尋ねると、
「越河地区はペットボトルのポイ捨てが目立つんです。そのため、1月末を目処に、越川エリアの上り下り線に“運転手の方へ ごみ捨て禁止”などと書かれた標識を設けることで、ポイ捨てを止めてもらおうと考えています。具体的には上り線に3つ、下り線に2つの標識を立てるつもりです」
とのこと。だが、周辺エリアの中でもなぜ、越川地区のみポイ捨てペットボトルが目立つのか。
「このエリアは上り線が2車線となっていて、周囲に民家やお店もなく、田んぼだらけ。付近にはサービスエリアなどもありませんし、周りの目がないことからゴミのポイ捨てが目立つのかなとは思います」(前同)
荷物を搬送する長距離トラックなどが通ることも多いというこの地域。年に1回行なう地域の除草工事にあわせてペットボトルの回収作業も行なっているという。
「2023年の10月25日〜27日に行なった除草工事では中身入りペットボトル43本を含む、223本を回収しています。このエリアは8月にも民間の方が清掃作業を行なっているので、1か月に10本以上の尿入りペットボトルが捨てられていることになります。
地域の住民の方もポイ捨ての多さに“嫌な思いをしている”、“尿入りペットボトルが自分の敷地に捨てられているのは……”と、辟易しているという声は聞きます」(同)