■ドライバーの勤務先にまで責任が及ぶ!?
長距離ドライバーによる、国道や私有地への尿入りペットボトルポイ捨て問題。刑事事件上の罪に問われることはあるのだろうか。労働問題に詳しい旬報法律事務所の鈴木悠太弁護士によると、
「尿入りのペットボトルは明らかなゴミですから、それを国道や私有地にトラックの運転手の方が捨てることは、廃棄物処理法違反にあたると考えられます。罪状としては5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金。もしくは、その両方となります」
一方で、時間に追われながら長距離の運送業務をこなす長距離トラックのドライバーだけに罪をなすりつけるのは酷という気もするが……。
「刑事事件という観点からは、第一義的に、不法行為を行なった本人の責任とみなされてしまいます。一方で、生理現象である排尿すらも我慢しなければならないほど厳しい労働条件化で、運転手の方が勤務を強いられていることにも問題はあります。
自分の土地に尿入りペットボトルを捨てられた方が、損害を受けたとして民事裁判をドライバーの方に対して起こせば、勤務中の使用者責任があるとして、ドライバーさんを雇用している会社側の責任を問うことも可能なのです」(前出の鈴木弁護士)
「尿入りペットボトルポイ捨て問題」は今後、さらに大きな問題になってくるのかもしれない――。
旬報法律事務所
1954年の創立。65年以上に渡り、多くの労働問題(不当解雇・残業代未払い等)も取り扱う。労働問題の他にも、相続、離婚、交通事故、借金問題、刑事事件等、あらゆる法律問題を手がける。