虚実混交、日々さまざまな情報が飛び交うインターネットの世界。そんな場に人々の目を引く1枚の写真が投げ込まれたのは1月半のことだった。

「X(旧ツイッター)上に、これまでグラミー賞を12度も受賞、アメリカの大人気歌姫として知られるテイラー・スウィフトさん(34)が、あられもない姿をさらした写真が投稿されたのです。画像は投稿者のアカウントが削除された1月25日(現地時間)までに、X上で4700万回も閲覧されました。投稿された画像自体は精巧に作られた偽物ですが、テイラーさんは怒り沸騰。現地メディアでは投稿者を訴える可能性を示唆する報道も出ています」(在米ライター)

*画像はテイラー・スウィフトの公式インスタグラム『@taylorswift』より

 世界の歌姫がフットボールスタジアムと思われる場所で、堂々と肢体をあらわに。その姿は波紋を呼び、ホワイトハウスの報道官も「憂慮すべき事態。この問題に対処する法律があるべきだ」と、1月26日の記者会見で話すまでの事態に発展した。まさに、全米を揺るがす騒動になっているのだ。

 では、こういった画像は、どのようにして作成されるのか。ITジャーナリストの三上洋氏が解説する。

「生成AIと呼ばれるAI技術が活用されたと見られています。一般的に生成AIを使用した、画像作成では、既存の画像をAIが学習します。今回のケースですと、画像生成AIが学習したテイラーさんの画像をもとに、制作者がテイラーさんのわいせつ画像を作成するよう、AIに命じたと考えられます。その画像を制作者はXに投稿したのでしょう」