『アンナチュラル』『逃げるは恥だが役に立つ』など多数のヒットドラマの脚本を担当した野木亜紀子氏が1日までにXを更新。漫画家の芦原妃名子さん(享年50)の急死をめぐる一連の騒動に私見を述べた。

 この日、「日テレドラマ『セクシー田中さん』の件。この数日、方々に訊いてはみているものの、まだ判然としない点も多く、付随する問題の論点が多岐に渡るため、どこから触れていいのかわからない」と書き出した野木氏。「こんな悲しい結末になってしまうまでに幾つかのポイントがあり、そのどれもがよくない方に働いてしまったであろうことが残念でならない。これまで実写化に関わった/いま関わっているすべての人にとって他人事ではない」と危機感をつのらせた。

 また、芦原さんの死去を受け、ドラマを制作した日本テレビが出したコメントについては「あまりにも足りていない」と厳しく指摘。「本来、日テレと小学館の間で話し合い納めるべきだったところがなぜここまでのことになってしまったのか。いま調査中であるならば調査中である旨を公表し、今後明らかにしていくという意思を見せた方がいいのではないか。小学館と見解が異なるというのであれば第三者委員会のような立場の調査を入れる必要もあるかもしれない」と持論を述べた。

 さらに、「誠実であろうとしたために亡くなられた芦原先生のためにも、原作読者・ドラマ視聴者に対しても、これで終われるはずがない」とし、「大きなショックを受けているであろうドラマ出演者や関わった人たちに対しても、日テレには誠実であってほしいです。起きてしまったことに対しての姿勢が問われています」と、日本テレビに対してさらなる対応の必要性を訴えた。

 オリジナル作品のクオリティの高さに加え、原作に対するリスペクトが感じられる脚本化で、原作・ドラマ・映画ファンからの信頼が厚い野木氏。その手腕で数々のヒット作を世に生み出してきた。

 そんな野木氏からの言葉に、ユーザーからは「至極真っ当な話だし、野木さんが言うと説得力もある」「よくぞ仰ってくれました。これぞ、良識と常識を兼ね備えた物書きの態度です」「野木さんのポストは誠実だなと思います。脚本家として、自分の言える立場と、また全体のことを言われているので、ものすごく腑に落ちました」といった賛同の声が相次ぎ、このポストは約1日で1.6万回ものリポストがなされている。