2月5日には23区内でも雪が積もり、今年1、2を争う冷え込みとなった東京。ただ、日本気象協会の予報によれば、この冷え込みは一時的なもので、今年は暖冬の傾向が強いという。その影響から、早まっているとされるのが全国的な花粉の飛散だ。
「例年よりも1週間ほど早い2月8日頃には、東京や福岡などでスギ花粉の飛散が本格化する見込みです。飛散量は例年並みかやや多い程度、との予報が出ています」(気象庁担当記者)
冬景色から一転。花粉症に悩む都内で暮らす人にとっては、つらい季節がやって来るというわけだ。一方、コロナ禍を経た花粉対策グッズ売り場では、ある“異変”が起きているという。働き方改革により在宅ワークが多くなった影響からか、ひそかに製造、販売を終了した商品が相次いでいるというのだ。
たとえば大手日用雑貨メーカー・エステーが販売する花粉対策商品ブランド『MoriLabo(モリラボ)』は、2023年9月をもって、すべての商品の製造を終了したことを発表している。同ブランドからは、“北海道産のトドマツから抽出した香り成分がスギ花粉をコーティングしてアレル物質の働きを低減する”という説明のもと、スプレーやスティック、香りポットなど多種多様な花粉対策グッズが展開されていた。
都内のドラッグストア店員に話を聞いた。
「顔の周りに”シュッ”とひと振りするだけで花粉を防ぐスプレー型の商品などは人気があったことから、店舗に足を運ぶお客さんに、”モリラボないの?”とお尋ねいただくこともあります。また、例年1月下旬から3月頃にかけて売られていた食品メーカー・カンロの『花鼻迷惑』は22年4月に製造・販売を終了。有名メーカーが手掛ける花粉症時期の目玉商品として定着していたと思っていただけに、販売終了は意外でした」
相次ぐ花粉対策グッズの販売終了の背景には――。
「コロナ禍でマスクをする習慣がついたことにより、自ずと早めの花粉対策ができていたため、症状が軽減された人も多いのではないでしょうか。家から出ない生活が続き、例年より花粉症の症状はマシ、という人も多かったのだと思います。実際、ここ数年マスク以外の花粉対策商品はあまり売れていなかった印象です。
ただコロナ禍が明けたことで、生活様式は元に戻ってきています。この春は各地の行楽地にお出かけする人も多いでしょうし、対策には気をつけたいところですよね」(前同)