「自衛隊に密着して、これまでいくつもの自然災害による被災地に足を運んできましたが、これほど長い間、道路が断たれた状態の被災地を見たのは初めてです。そのため、いまだに孤立した集落へ救助に行けていない状態なんだそうです。この様子だと、完全な復旧までには最低でも半年以上はかかるかもしれません」
こう語るのは、1月1日に最大震度7を観測した能登半島地震の被災地を訪れた、軍事フォトジャーナリストの菊池雅之氏。菊池氏は地震発生から約3週間後に石川県七尾市、穴水町へ取材に訪れた。
「新幹線で到着した金沢では、震災の形跡は見当たりませんでしたが、能登半島の付け根にあたる七尾市から北は、発生時から何も変わっていない印象です」(菊池氏=以下同)
七尾までは電車が復旧していたという。だが……。
「七尾駅の2つあるホームのうち1つは壊れたままで、駅前のロータリーも地面がグチャグチャのままでした。電気が通っていないため、夜は真っ暗。唯一、自家発電設備のあるビルに入っているドン・キホーテだけが煌々としていました」
ちなみにドン・キホーテは品揃えも豊富だった。数少ない物資供給拠点だけに、店側も商品の補充に尽力しているのだろう。
「七尾市から北上するにつれて、被害状況が深刻になっていくのが分かりました。突然、道路が壊れていたりするので、夜の通行はかなり危険でしたね」
それにしても復旧に、これほどの時間を要している原因は何だろうか。