■「昭和・平成・令和比較番組」が各局で乱立するワケ
2024年、令和6年の現在、昔と今を比較する番組がこれほどまでに乱立している理由とはいったい――。
前出のバラエティ番組制作会社関係者が話す。
「テレビ各局は現在、13~49歳のコア視聴率を重視してはいるのですが、こういった昔と今を比較する番組はティーン層、コア層の中心となる30~40代、さらにその上のシニア層の視聴率も一気に取れるんです。全世代の視聴者を狙えるということです。
30~40代は上の世代のことも下の世代のこともなんとなく分かっているから“分かる、分かる”“そうだよな~”という感じで面白がってくれます。そして10~20代にとって昭和の音楽やVTRは“衝撃映像”でもあるんです。今とは違う“ダサい”とも思えてしまう髪型やファッション、熱狂的にアイドルを応援するファンの姿は、たしかに当時を知らない今の若者世代にしてみたら衝撃ですよね。さらに、シニア層にしてみれば、“懐かしい!”と嬉しい気持ちになれる番組なんです」
昔と今、昭和と令和を比較する番組は3世代に刺さるコア視聴率も世帯視聴率も狙える、テレビ局にしてみれば非常に“オイシイ”コンテンツのようだ。
「さらに令和になったことが大きいと言われています。今までは昭和と平成の比較でしたが、令和になって3つの元号で区切って比較することができるようになったんです。“古い昭和、少し前の平成ではこうだったけど令和の今は……”といった具合ですよね。
そして、こうした番組が乱立している最大の理由が経費削減なんです。『ミュージックジェネレーション』も『ハマダ歌謡祭』も音楽を届ける番組ではありますが、音楽番組ではなく“歌もの番組”ということでそれほど制作費がかからないんです」(前同)
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— ハマダ歌謡祭★オオカミ少年【金曜よる7時】 (@ookami_tbs) December 15, 2023
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日本を代表する音楽番組『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)や音楽特番『THE MUSIC DAY』(日本テレビ系)などはアーティストごとに舞台セットを組み、バンドも入ってパフォーマンスを披露することになり、当然ながら制作費がかさむことになる。
「音楽番組のセット代は物凄いですよ。制作費が湯水のごとく消えていきます。一方で『ミュージックジェネレーション』や『ハマダ歌謡祭』のセットは1つで済みますし、『ハマダ歌謡祭』はカラオケで歌唱しますからバンドなどのお金がかからないと。
そして、さらに大きいのが、各世代の代表曲を取り上げる構成のため、多くの視聴者が出てくる歌を知っていることです。一方、たとえば『Mステ』は今、思いっきり若者に振っていて、新進気鋭のアーティストばかりが出演します。ただ、上の世代にしてみれば見たこともないアーティストの聴いたことのない曲でしかありません。
ところが『ミュージックジェネレーション』や『ハマダ歌謡祭』で取り上げる歌は誰もが知っていて、非常にテレビ向きなんです」(同)