■寒暖差の大きい季節を乗り切る「トーゴーサンの法則」とは

 寒暖差に体がついていかない、とはよく聞くフレーズだ。先には「寒暖差ぎっくり腰」というワードがX(旧ツイッター)上でもトレンド入りしていた。寒暖差が引き起こす体の変化を前出の森田さんが解説する。

「昔から”天気病”といって、天気と体の調子の間には何らかの関係があることは知られてきました。最近、その研究が進んで、寒暖差が大きいと、どう体調面に影響があるか、ということが、少しずつ具体的になってきていますね。ぎっくり腰もその一つでしょう。

 そもそも人類が誕生した20万年前は動物と一緒に住んでいて、天気が悪い日は洞窟の中でじっとして、体を休める期間だったんですよ。晴れると外に出て狩りに行く。天気に合わせて行動するファクターが人間の体には備わっており、天気が悪いときは、本来の身体的には“休みなさい”ということなのだろうとも思います」

 大きな寒暖差があるにもかかわらず、“いつも通り”行動しようとすると、体に不具合も起こりうるということだが、そうはいっても”天気が悪いから仕事を休む”わけにはいかないのが現代社会。急激な気候の変動に対処しながら生活するにはどうしたらいいのか。

「機能性のある衣服を選ぶ、脱ぎ着しやすい上着を1枚余分に持っておくなど、服装で調子を整えるのがベストだと思います。ただ、昼は暖かいけど朝晩は寒いなど、1日の間に温度差が大きいと、服選びもなかなか難しいですよね。

 そのため、寒さをひとつの目安にすると良いでしょう。寒さの目安は”10℃”です。気温が10℃を下回ると人間は“寒いな”と感じます。あと、”十五三(トーゴーサン)の法則”は覚えておいていいかもしれません」(前同)

”十五三の法則”とは、経験則的に伝えられている、天気によって大まかなその日の最低・最高気温がわかるという“法則”だという。

「晴れているときは、朝と昼の温度が10℃違う。たとえば、晴れた日の最低気温が15℃なら日中は25℃。曇りなら最低気温と最高気温に5℃、雨なら3℃の差になるといった具合です。”十五三の法則”は日中や夜、どのぐらいの気温になるかの目安になります。

 あとはやっぱり天気予報をこまめに見るということですね。天気予報って、ただ知ればいいというものじゃなくて、行動を変えるためにもあるんです。今はアプリもありますから、ぜひ現在の気温をチェックして、寒暖差に対応した適切な格好や行動を取るようにしてください」(同)

 早めの天気情報収集が、体調を崩さないポイントの一つになりそうだ。

森田正光
1950年名古屋市生まれ。財団法人日本気象協会を経て、1992年初のフリーお天気キャスターに。同年、株式会社ウェザーマップを設立。親しみやすいキャラクターと個性的な気象解説で人気を集め、テレビやラジオへの出演多数。講演活動も精力的に行うほか、環境問題や異常気象についての分析にも定評がある。