昼と夜の長さがほぼ等しくなる春分の日。この日を境に徐々に夏へのカウントダウンが始まる。今年の春分の日は3月20日。その日まであと1か月を切り、まさに季節は変わり目を迎えている。そんな今年の春は、例年以上に気温のアップダウンが激しい。

 先の2月20日は全国的に記録的な陽気で、群馬県では前日の19日より10度以上気温が高く、2月としては観測史上初めて25度以上となる夏日を記録。同日は都心でも23.7度まで気温は上昇したが、一転して2月23日は最高気温が4度という真冬デーだった。

 なぜ、数日の間に急激な寒暖差が生まれるのか。その理由と、寒暖差がある季節の乗り切り方を、報道・情報番組『Nスタ』(TBS系)の金曜レギュラーを務める現役最年長お天気キャスターの森田正光さん(73)に解説してもらった。

「もともと冬から春になる2月から4月にかけては気温の変動が大きいシーズン。加えて今年は、昨年の春から発生している“エルニーニョ現象”の影響が日本にも及んでいるという背景があります。

 赤道付近の海面水温が上がるエルニーニョ現象が起きると、日本ではその年、暖冬になりやすいのですが、時折、冷たい空気が列島を包むと、その寒暖差が大きくなるんですね。それがまさに今年の冬というわけです」(森田氏)

 エルニーニョ現象により日本が暖冬になる理由は、海面水温が高くなることで風の流れが変わるなどして、寒波が入りにくくなるため。ただし、暖冬というのはあくまでも平均気温が高く、寒さが続かない冬のことで、毎日暖かいわけではないという。暖かい日の中で一時的に大陸からの寒波が列島を襲うことから、暖冬と言われる冬ほど寒暖差は出やすいのだそうだ。

 なお、気象庁が発表した3~5月の3か月予報では、2024年はエルニーニョ現象の影響が続いて暖かい空気に日本列島が覆われやすいため、春の気温は平年並みか高いと見込まれている。そのため、4月頃から急激に暑い日が続くと見られており、気象庁は早めの「熱中症対策」を呼びかけているところなのだ。 

「4月に25度を上回る日は過去にも出てきています。地球温暖化の影響もあり、近年4月の気温は高くなっている。30年ほど前と比べると、平均気温も2度ほど高い。4月に気温が28度や29度にまで上がる日が出てくる可能性があるとなると、心配されるのが熱中症です。

 また、ここで気をつけたいのは、冬の寒さの後に気温がいきなり上がると、体調を崩しやすくなるということです」(前同)