大手ネット通販・Amazonの商品を運ぶ、長崎県内の配達員およそ70人~80人が、3月8日にストライキを行なうことが決定した。Amazon側は報道各社の取材に対し、「当該エリアの配送に影響はない」と回答し、通常通りの配送が可能である旨を強調する。しかし、配達員がストライキを起こすと聞けば、物流網が途切れるのではと疑いたくもなるものだ。この一大事、日本各地で起こる可能性はないのか――。

 そもそも、Amazonの配送システムは複雑だ。今回のストライキが起きた経緯を全国紙経済部記者が説明する。

「Amazonの商品を運ぶ業者は、ヤマト運輸や佐川急便といった大手のほか、その地域の配送業者やフリーランスのドライバーなど、さまざまなケースが混在しています。当然、購入者側が配送業者を選ぶことはできません。

 そして、長崎県内のAmazon商品の配送は、まずAmazonが県外の元請け会社に委託し、さらに、そこが県内の業者に下請けという形で発注していました。今回、ストライキを行なうと訴えているのは、元請け会社から昨年12月、今年4月8日をもって契約を打ち切るとの通告があったという下請け会社から配送を受注しているフリーランスの人たちです」

 つまり下請け会社に仕事をもらっていた配達員の方たちが、“クビ通告”をされたということだ。

「そこで彼らが、元請け会社に契約の継続を求めるとしてストを示唆したという流れです。3月7日までに納得できる回答がなかったとして、3月8日に全日ストへ踏み切るとのこと。これにより、長崎市と諫早市などで計5000個以上の配送に影響が出る可能性があるとも見られています」(前同)